Q:端的にフェイクコンを例にとるとグラマンダックの胴体にDナルドダックの顔イラストを大書したとして、それをサイトにアップするとDズニーからお咎めうけるのでしょうか?
A:著作物を利用しているという状況となっても、著作権者から文句が来るかどうかは、著作者の考え方に拠るところが大きいというしかありません。法律的には、上記のような場合は、「著作物の利用」になる一方で、「私的利用」(自由に利用できる許容範囲)の抗弁もできる範囲だと思います。著作権者の考え方という点によれば、もちろんディズニーなんかは著作物管理が厳しいところですので、文句が来る可能性はあるのでしょうが、実際問題として、ディズニーの版権管理部やらそこが頼んでいる法律事務所がそこまでの労力を使って事を起すとは考え難いので、これは「私的利用」と割りきって掲載してしまうのが良いんじゃないですかね(私ならそうします。ディズニーから警告が来たらそれこそ光栄なこととして(笑)、そのときに削除するか反論するか考えます)。
インターネット上の著作権っていうのは、本当に近年の問題なので、グレーゾーンが多いのです。これはひとえインタネットの広域性と複製可能性の問題に起因しています。
上記のようなインターネット上の私的使用はこれからだんだんルール形成されてくると思うのですが、個人的には明らかな著作権違反は論外として(音楽ファイル交換とか)、このようなネット上のグレーゾーンでは、使用者は権利者に気を使いすぎず、主張して行くことが必要かな、と思ってます(使用者側にも「表現の自由」という権利があるのですから)。著作権のような実体的な法律は、社会状況を反映して改正されるので、インターネット上で「ちょっとでも著作権を利用する行為は全て著作権侵害だ」という風潮を使用者側が自ら作ってしまったら、そのうち、それが法律になっちゃうでしょうから(~_~;)。・・・その他、ガーランドのミッキーマウスマーキングのデカールにディズニーが文句を付けることができるか?とか、面白い論点は沢山ありますね(^^)。
<がらんどうの付記>
スケール・プラモと著作権-1の中で既になかがわさんが説明しておられますが、このページから読まれる方も多いと思いますので、付け足しです。前提として理解していただきたいのは著作権など「知的所有権」というのは、人権がこの世に生を受けた瞬間生じるのと同じで、ものを作った瞬間に発生する権利です。つまり生得的な権利ですので、これはいちいち国に申請しなければ認められないものでは無いです(ヨーロッパや日本の場合、法律でそう規定されてます)。つまり、著作者人格権と著作権(財産権)は同列なのです。その下位概念というか、ビジネス上の権利として、特許権とか不可複製権とか、商標とかがあります。従って、他人の著作を複写しても、自分一人で楽しむだけなら、なんら問題は無いです。ただ、アメリカは著作権などの根本的な原理の部分がなおざりで、ビシネスのためのマルシー=複製許可権しか無いという後進国です。しかも一部ではディズニー法と揶揄されるように、映像著作などの権利期間の50年から70年への延長など、商売ベースの改正まで持ち出しています。
一方、このような流れは、そもそも原理となる考え方が異なるため、インターネットのような、もともと学術の振興や共同研究開発のために作られたツール(メディア?)とは、大変な齟齬を生じてきたことは、皆様も実感なさっていることと思います。そこで、スタンフォード大学のレッシグ教授というかたが、「学ぶ=真似ぶ」の視点から、○pdマーク(勝手に使ってOK」、(原作者名明記で転載自由)、
マーク(転載はいいが改変はだめ)、
(非営利であれば利用可)などといった概念を提唱されて、新しい方向を示唆されているようです。日本でも賛同者がいらっしゃるようです。(参考:クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)
著作物は思想または感情の創作的表現なので、戦記などのような創作自由度の低い著作物については、それが似ていたとしても著作権の侵害は認められ難いというのが原則です(秦郁彦氏(日本海軍戦闘機隊・エース列伝・酣燈社)が鈴木五郎氏(ニッポン歴代撃墜王列伝・丸)を相手取った裁判でも権利侵害は認められませんでした・東京地判S55.6.23)。なので、さらに考証という、表現として固定されない情報の場合は、さらに著作権は成立し辛いと言えますねぇ。
但し、ある人が一生懸命時間やお金を使ってなした作業を、他人が商売のネタとして使うような場合は一般的な不法行為(民法709条)として損害賠償を求めることができます。具体的ケースでは、帯の図案を真似した他の会社の行為は、著作権侵害ではないが(帯は著作物ではないという理由)、他人の成果物を安易に真似したとして不法行為分の損害賠償を認めたケースがあります(京都地裁昭60(ワ)1737袋帯図柄事件)。
ちなみに、意匠権は、所謂、工業デザイン上で成り立つ権利で、もちろん、「創作」としてなら物品「飛行機(本物の)」でマーキングは登録を得られるでしょうが、実際あったものというのが判った時点で権利行使はできないでしょうし、また、プラモデルなどの「玩具」やら「書籍の図版」に対しては権利行使できません。
さて、ちょっと補足です。
Q:事実をベースにしてるから、内容の類似性はあたりまえとしても、文章をまるっこ引用したら、いけないか?
(1)一方が他方を真似していること、と、(2)真似された部分に創作性があること、とはアンド条件なんです。なので、丸々真似したとしても真似された部分に創作性がなければ、著作権侵害とはならないですね(道義的な問題は別ですけどね)。
文書A
「当時の気象記録から判断してこの日は曇りであった。ハルトマンはそれでもIl-2を3機落した。」文書B
「当時の気象記録から判断してこの日は低い雲がどんよりと空を覆っていたはずで、後方下側からの射撃を得意とするハルトマンにとっては通常より低空を飛行するIl-2を撃墜するには条件が悪かったと思われるが、さすがハルトマン、2機をみごとに撃墜している。」
と、いう2つの文書があった場合、文章Aを真似しても(たとえ、それが考証の結果としても)単に事実の表記なので著作権侵害にはならないですが、文章Bは著者の感情が入っているので著作権侵害ということになります。
※上記は、はるとまん氏のサイトの掲示板に投稿されたものが下敷きになっています。(2003年10月)
※参考:スケール・プラモと著作権-1