Roxy Music Japan Tour 2001

行って来ました、ロクシーのギグ。最後に見たのは1983年解散時のジャパン・ツアー以来ですから、なんと18年振り。あれ、フェリーはソロコンサートに行ったかな?今回は初めてウェブでチケットを取ったので、前から17列目といういい席(仕事からみでクラプトンの横浜アリーナを取ったときは、前は前でも袖だったので、ステージ裏の大道具のベニヤや汚いパンチカーペットが見えて興ざめしたこと有り)。

場所は、有楽町の(悪評高き)国際フォーラム。展示場はやはり仕事でなら行ったことがありますがAホールは初めて。クラシック用ホールかな?

まず驚いたのは、ゲストのクリス・スペデイングがちゃんと来日していたこと。そろそろ年季も30年になろうかというブリティッシュ・ロックファンの私でも、初めて知った時から既に「伝説のギタリスト」で、なおかつず〜っと「伝説のまま」であるという希有なミュージシャンです。すなわち、ジャニスやジミヘンは本当に不世出の天才、死んでしまってほんとうに伝説になった人ですが、クリスの場合、「めちゃくちゃうまい!」という評判だけが勝手に一人歩きして、本人はオーバーグランドに結局浮上したことなく、噂だけが一人歩きしてまったんです。ああ、そうかロック界の都市(歳)伝説、なんちゃって(笑)

後のメンバーは、フェリーフィル・マンザニーラ、真っ赤異、違うアンディ・マッカイ(とフェリーは発音していた)に、オリジナルメンバーのどんすこ(体育会系もしくは波止場の用心棒系)ドラムのポール・トンプソン。脇を固めるのが、年輩のピアニストを別にすればベースバイオリンパーカッションコーラスとも全て若手メンバー。

曲は、リメイク・リモデルというイーノ在籍時の懐かしナンバーからスタート。最初フェリーのキーが恐ろしく(私以上に、、、笑)外れていて、一体何の曲か分かりませでした。まあ、あの人の場合、音痴なのか才能なのか、いつも分かりませんが(^_^) 他人様のメモによれば曲目は下記だったそうです。

1.Re-Make/Re-Model
2.Street Life
3.Ladytron
4.While My Heart is Still Beating
5.Out of the Blue
6.A Song for Europe
7.My Only Love
8. In Every Dream Home A Heartache
9.Oh Yeah
10. Both Ends Burning
11.Tara
12.More Than This
13.Dance Away
14.Jealous Guy
15. Editions of You
16. Love is the Drug
17.Do the Strand
18.For Your Pleasure

初期の狂気のポップナンバーと、中期以降の狂ったラブ・バラードが適度に混在し(つまり全部どっか変なんですね、このバンド、、、笑)、この手のベテランにありがち)幕の内セットではありましたが、満足満足。Out of the Blue、 In Every Dream Home A Heartache、Both Ends Burning 、Do the Strand Editions of You、といった初期ナンバーのファンなのですが、キッチュなLove is the Drugもやったし、せっかくスペディングが居るのだから、彼のリードだったはずの「スティック・トゥギャザー(ビデオクリップでは、その後、ストーンズのミック・ジャガーへ走ってしまった当時のフェリーの愛人、スーパーモデルのジュリー・ホール嬢が映っている奴)」もやってほしかったです。ちなみに「トーキョー・ジョー」は無論演奏せず。キムタク>ギフトでの俄ファンの皆さん、残念でした(^_^)

昔と違うのは、フェリーの独壇場にはならず、髭を剃ってしまって格好悪くなったマンザニーラがフューチャーされていて、ギターソロではまるでロックミュージシャンのように(笑)、アームを使って顔をしかめて弾いていたこと。あのディストーションのかかった、ギョエギョエ・トーンも少しは聞けましたが、どっちかといえば素直な音が多かったようです。バイオリンの若いねいちゃんがチョー元気で(めっちゃくやしい顔でした)、往年のエディ・ジョブスンの繊細な狂気とまではいかずとも、私のフェバリット・ソング、アウトオブザブルーでのバイオリン・ソロはなかなか感動しました。ああ、ロックにおけるバイオリンってこんなに官能的だったんだなあ、とジョブスン、ダリル・ウェイのカーブド・エア以来忘れていた感覚が呼びさまされました(クリムゾンのバイオリンは官能とは違いますものね)。またバイオリンとギターの掛け合い、スペディングとフィルのギター・バトル(渋すぎて若い人には???だったでしょう、、、笑)、マッカイのサックスとの掛け合い、フェリーとのユニゾン合戦など、フィルおぢさんパワー全開でした。ボサノバに逃避し過ぎてへろへろだっらどうしよう?という心配は杞憂に終わって安心安心。スペデイングのソロは少し(2回)しかありませんでしたが、いやはや、やっぱりうまい! なんてことないフレーズを弾いてもすんごく正確で、かつ音がものすごく陰影があるし多彩。ジェフ・ベックは正確ですがトリッキーなのに対し、地味派手といったところ? マーク・ノップラーがもし色々な音を出せたらあんな感じかなあ?さすが、ミスター「ギター・ジャンボリー(名ギタリストの音真似大合戦アルバム、寂しいことに彼のソロ代表作、あとはジャック・ブルースやらセックス・ピストルズの憧れの人とかねえ、伝説ばっか)」。格好もダークグレーの地味なコートで、これがクラプトンなら「フォーエバー・マン」のビデオクリップみたいにナイス・ミドルに見えるのに、クリスはガード下のプー太郎さんと紙一重(^_^)

メンバーのうち、パーカッションのジュリア・ソーントンという女の子は、ずっとバックにしたにもかかわらず、結構な美形の様子。銀ラメドレスという、女性ロッカー定番(?)のコスチュームで、華を添えていました。バイオリオンのおねーちゃんは元気印だったのと好対照。ただこのバイオリンねいちゃん、VCS3というキング・クリムゾン達が70年代初等に使っていた、ムーグと並ぶ伝説のシンセサイザーを使っていました。ムーグはEL&Pが日本に持ってきたけど、VCS3は誰か昔日本で使ったのかなあ? もしかしたら、ピンク・フロイドが箱根で使ったかな?ただしこの箱根アフロディーテの野外コンサートの体験者は50代の方々だろうしなあ。ただねえ、音が悪いのよ、このホール。クラシックはどうか知らないが、ことロックでは重低音が全部吸収されてしまっては致命的。高音もあんまり響かず、ボーカル等の中音域だけが良く鳴っていました。これでもっと音域のひろいフルオケなんかの交響曲もできるのかいな?東京都、鈴木前知事の壮大な無駄、、、という言葉が、また頭を過ぎりました。

全体的には、ロックコンサートに絶対不可欠と思われている?、「アドレナリン異常分泌」、「ドーパミン大量発生」という興奮状態には全くならず、どっちかといえば同窓会のほのぼのさ。フェリーも自己陶酔の極地にあると踊り出す「蛸おどり」(写真はやや、それに近いレベル)もやりませんでした。もう少し前なら私も怒ったでしょうが、何故かもう許せちゃう。こんなんあってもいいかな、なんて。演る方50代、聞く方40代(多分日本ではジャパンが登場したのを境にロクシーのファンてニューカマーが居なくなったンだと思う)なんですからねえ。良くを言えば、ペイジ・プラントはじじいになってから、中近東のメロディーに果敢に(無謀に)挑戦したり、クラプトンがディープなブルースに回帰して(さらに職人芸だし)とか、深く感動させるギグを展開しましたが、このロキシーというバンド、演奏は上手じゃない、ただただセンスとイメージでやってきたバンドですから、そういうベテランならだはの味を望んでもしょうがないしね! キッチュ万歳!
 ところで、5年振りくらいに行ったライブでしたが、価格9千円というのは最近の相場なんでしょうか?これじゃクラシックコンサート並じゃないの?
 でも、傑作「VIVA」でのアンコール拍手「ロキシー、チャチャチャ」もできたし(過去3回とも廻りの観客は知らないでやんの、ぷんぷん)、拍手で手が痛くなったし、故レノンの名曲「ジェラス・ガイ」では泣けたし、楽しい時間を過ごしました。