「リベット&ケガキ・ツール紹介」 えー、私は「工作大嫌い&早く色を塗りたい」タイプでして、すなわちそれは「工作が下手」をも意味しております。もともと余り器用じゃないんでしょうね。ただ長くプラモをやっているので少しは慣れているだけで、決して工作は巧くない。うまい方の工作途中を拝見させていただくと、「なんとまあきれいな下地であることよ」、と嘆息うること、しきりです。
さて一方、ゴルフや釣りという、これはもう正真正銘大人の、、、つまりおやぢの趣味においては、アームの無さをカバーするのは「道具」ということになっているようでして、アブだかの電動リールにしろ、フラットヘッドのなんたらアイアンなどにしろ、目ん玉が飛び出すほど、お高いものです。まあ、うん十万円単位ですな。その値段だからこそ、メーカーを含めた業界がいっぱし、産業界の一角を占めることができるのだ、とも言えますが、それでも確か数千億円市場で、バブル時代ですら、一兆円産業にはついになりませんでした。もちろん今はどちらも構造不況業種であります。
振り返って、プラモのお道具はといえば、コンプレッサーやエアブラシ、あるいは本格的プロユースの電動工具を除けば、これが結構安い。大体、千円の単位ですね。しかし、大した値段でないにもかかわらず、私は工作嫌いから、道具にもこだわらないほうです。日頃から、なんとかだまして使えればいいや、という、はなはだ志の低いアティチュードでツールに接しております。雑誌などでライター諸氏が、筆は文清堂(字が違っていたらすみません、知らないんです)だとか、ブラシはアズテックやねん、とかおっしゃっていますが、とんと興味が湧かない。道具フェチという人種もいらっしゃって、確かに良くできた道具は「用の美」があり、美しい。特におドイツのデザイン用品、カステルとかステッドラーなんてえのは、シャープですね。使わないけど、コレクションしちゃう、という心理も分からなくも無いですが、どうもそれもねえ、なんかもったいないじゃないですか。
という訳で、ここも模型サイトでありながら、ツール解題、道具の選び方十訓などという記事は全く無かったのでありますが、最近、北風舎さんのオリジナル・ツールを購入したので、リベットとケガキの道具のみ、ご紹介させていただきます。<ケガキ、筋堀ツール>
(1):「シンワ測定(株)の超硬チップ付きケガキ針C」二本組1000円(イエローサブマリン新宿店で購入。メーカーは新潟県三条市)。なおホルダーは別売(製図用の通称ホルダー)で数百円だったはず。
(2):せんびきや 幅0.05mmの超硬度鋼の筋堀ツール、1800円(東京恵比寿のホビーブティックしむら特製)おそらくどちらも似たような硬度の高い鋼を刃先に使用したものでしょう。実は昔いたクラブメンバーが同様なツールをこさえてくれて、リベット打ちに重宝していたのですが、なんせ焼き入れがきつく、カーペットに落としただけで先端が欠けてしまい、ながいこと代替品を捜していたところ、巡り会った二品なのです。この手の先細の道具の常として、方向支持性はあまり無いので、線を彫る場合はガイドをしっかりしないとだめです、リベット打ちには適しています。
<リベット打ちの効果・功罪・タイムコスト・パフォーマンス>
リベットを打ったプラモの例(クリックで拡大) 飛行機にリベットを打つという作法(^_^)については、それぞれ好き嫌いが有ると思います。48単発機の場合、私のようなサンデーモデラーでは、土日土日でやって約1ヶ月は要します。本物を見ても、ヘリコ以外はよっぽど近づかなければ見えないものを、模型というミニチュアにも施すというのは、これはもうハッキリ言って、実物の精密な再現ではなく、一つの演出手法でしょうね。昔はこれが本物のスケールダウン、みたいに思われていた節も有りますが、そんなこたあ、有りません。さらに手間がかかるので、コスト(時間単価)パフォーマンスとしては低いと思います。私も年に1回やればいい方です。JMC向けにね(^_^) 逆にそれほど手間がかからないのが、下地暗色技法。昔ながらの日本の飛行機モデラーさんでも、最近はリベット打ちに固執する傾向も薄れつつあるかも知れませんが、まだまだ我が国のみにおいては「これが王道」という論調も消滅してはいないようです。海外の作例では精密リベット技法には、まず滅多にお目にかかったことが無いですけどね。不思議ですね。やっぱり日本の飛行機モデラーは、難行苦行が好き、異常に清潔感が過剰で、まだまだ表現手段のバリエーションが乏しいのね。スペインのAFVのサイト(ミグさんの)を見ましたら、ウェザリング技法のバリエーションの膨大なこと! はっきり言って日本の飛行機モデラーは勉強不足だと思います。未だにジオラマやウェザリングと言えば、バーリンデンしか思い浮かばないようでは情けない。しかし、私個人はリベット打ちに反対な訳ではありません。これはこれで精密感が増すことは事実です。どっちも演出手法に過ぎないんだから、変に意固地にならず、適宜使い分ければいいじゃないですか。
<リベット打ちツール>
(左):今までワタクシの唯一の「自作オリジナル・ツール」。要は電動鋸のドレメルの「丸刃ノコ」をヴァイスにくわえたもの。軸は真鍮パイプを曲げただけ、刃が薄くぶれ易いので、表はナット、裏は洋裁の目地をつける道具の丸刃をあてがっています。これはリベットそのものを打つのではなく、そのガイドとして小さな穴を穿っていくためのものです。いくら定規で間隔を計ってもずれてしまうし、またプラの表面に鉛筆で書いても消えてしまうからです。ハセガワのトライツールでリベット用定規がでていますが、異常に間隔がひろく(つまり同社48F-104スターファイターの、翼上面のでかい穴ぼこ-どうもあれがリベットらしいが-と同様の間隔)、スケール的には1/24でもどうか、という程、全く使い物にならない、ユーザーをなめた雑な製品なのでお薦めできません。そういえば同社のトライツールの刃物類(ケガキアナイフなど)も、金属が柔らかく、数回の使用で、なまくらになってしまうので、安物買い(というほど安くないが)の銭失い、の典型です。こういう周辺素材をおまけ感覚でしか考えず、おろそかに扱うなら、いっそ手を引いてくださったほうが、罪が無いと思います。その点、タミヤのツールは平均点以上という印象があります。
(右):北風舎ツール。リベット打ち専門に開発しただけあって、「刃のぶれ」防止に一番心を砕いており、さすが現役プロモデラーさんです。拙いながらも自作ツールとほぼ同様の考え方に基づいた製品を、プロが私のために(^_^)、誂えてくれたようなものですから、これは購入しない手はありませんて。72,48,32用の刃がそれぞれ有り、そのままリベット穴になる、しかもペーパー掛けは不要、となっています。実際スミが流れるほど深く穴を穿つことができるのかどうか、は実際に使用してみた感想のページをご覧下さい。確か北風舎さんは、写真や遠目でリベットは見えなくとも良い、という趣旨の発言をなさていた記憶があるからです。私は「やったからには見えなければ意味が無い」と思うので、しっかりと凹にならないと嫌なんですよ(^_^) ツールについて、詳しくは北風舎さんのサイト(2002年6月休止中)でメールにて聞いて下さい。刃が1600円、ホルダーが1980円。当初は直販されていたので、申し込んだ翌日には到着しました。その後、在庫をガネットさんに全部卸したような話も聞きましたが、まだあるのか不明です。
(一番左):ダイモテープ。テプラの台頭でついに生産中止らしいです。筋堀、リベット打ちのガイドとして必携品。私はサフを吹いた後、筋やリベットといった下地工作はしないので、こね粘着力の強さが「買い」です。したがって6ミリはすぐにはがれてしまうため、この用途には失格。もっぱら9ミリを使用します。ただし3次曲面では、ダイモテープのような固い素材は使えません。このダイモテープも製造中止になったとかですので、この通販サイトで買えるのも今のうちかもしれません。どうすればうまく筋が掘れるのか、難しいですねえ。
こんどは、リベットといっても「穴」ではなく「枕頭鋲」用ツール。といってもご覧の通り、単なる文房具です。左と真ん中はシャープ・ペンシルの先を研いだもの、右は硬度の高い金属パイプを研いでヴァイスに銜えさせたもの。金属が柔らかいので、始終研いでいないとなまくらになってしまします。2001年に1/48のメッサーで試してみましたが、やはり大きすぎでした。これで嫌になってG-10はお蔵入りのまま。枕頭鋲はやはり1/32スケール以上でないと、おもちゃっぽくなってしまいますね。実はタミヤの32零戦がそこまでやるかも?と期待していましたが、普通の穴ぼこだったので少しがっかり。往年のレベル1/32スピットファイヤーの「マイナスネジ」が切ってあった驚き、は自分で再現するしか無いようです。1960年代に出来たことが、なんで21世紀に出来ないかな? え、そんなら自分でハセガワの1/32メッサーでやって見ろって?! いえいえ、そんな、滅相(メッサー)も有りません。お後が宜しいようで、、、、(^_^)。
なお、筋を彫る道具としては、こういった針状ではなく、刃物系(アクリルカッターや切り出しナイフなど)がありますが、私はろくなものを持っていない上、まともに使いこなせないので、論じる資格がございいません。あしからず。