
●雑誌「アーマー・モデリング」の2003年10月号にトランペッター社長 賀龍華氏インタビューが掲載されていましたので、雑感を。なお、ワタクシ「くぁたぴら」の付いた乗り物にはとんと暗いので、メイン商材であるAFV的観点からは若干違和感を覚える方がいらっしゃるかもしれませんのであしからず。(20003.9.23)
●賀社長は金型技術者あがりだそうで、模型や軍事マニアではないそうです、従って純粋にビジネス的観点から、スケール・プラモデルに関してミッシングリングを埋めるニッチ戦略で、マーチャンダイジングを決定して行くとのこと。そこに特段の感情は入らないそうです。実に新世代の模型メーカー、あるいは日出る国・中国のメーカーらしい、いっそすがすがしいばかりの発言であると思います。まずビジネスのひとつの目的は、儲けること(何のために儲けるかはとりあえずさておいて)。サードパーティならば、ニッチと言っても「マニア心理の隙間」を埋めていくというベクトルですが、トランペッターはそんなんじゃなく即物的に1/24,1/32,1/35スケールで物理的に抜けているアイテムを製品化する訳。あえて日本のメーカーと競合するリスクは負わない。実に当たり前のビジネス・スタイルと言えます。これ、決して揶揄している訳ではなく、大手のタミヤですらこういうロジカルなアプローチは恐らく取っていないと思いますので、実に今の中国的だなあと思う一方、我が国に於いても輸出で食べているメーカー、例えばトヨタ、ホンダなら当たり前の思考方法でもあり、いかに既存のスケールモデルメーカー(日本だけでなく、アメリカや欧州も含めて)、趣味の世界という地平線上でしか、マーケティングを考えて来なかった証左でも有ります。
ただし、既にスケールモデルの世界では、飽和状態に近い1/48や1/72新製品は余り期待できず、私には当分縁遠いメーカーのままでいそうです。いつこけても全く関係ないもん。私、大スケールにはやはり興味がもてない箱庭気質なんですよ。という訳で、今一番ホットなメーカーにプラモファンとしてのシンパシーや興味を持てないのは、ますますじじい化する一方なので、ちょいと寂しい気もしますけど。●次に賀社長は、金型技術者としての目で見て、タミヤやハセガワの金型技術に感銘し、追いつけ追い越せという気概でやってきたとも仰る。AM誌には「模型についてはアイテムそのものよりも、そのアイテムをいかに金型上で再現するかという部分に情熱を注いでいるように見受けられた」とあります。これの土井編集長の言葉は、実にトランペーッターというメーカーの本質を見抜いた正鵠を得た発言と思います。1/32のワイルドキャットに往年のレベルやモノグラムのような可動ギミックを仕込んだのはそのせいでしょう。だからハード面での進歩はこれからもきっとすごいと思います。国内では夢でしかない、バンダイのガンダム技術とスケールモデルの融合なんてえのも、将来あり得るかも(^o^)
●逆に当たり前ですが、模型への愛、その車両や機体への愛は特に無いわけで、結果としての製品は、単なる工業製品な訳です。でもさ、そもそも模型なんて趣味の世界の物、必需品じゃない訳で、電気製品とは自ずと違うはず。製品にそういう魂が込もっていなくて果たして、スケールキットと言えるのか? これ、最初に書いたことと全く矛盾していて、良くある模型マニアの愚痴レベルに戻ってしまってますが、だって仕方が無いですよねえ。これはエンドレス・エニグマだし、プラモ・マニアなんて何時までたっても幼児性の塊だもんね(^o^)
自国(中国)アイテムこそ比較対象が無いため甘く評価されていますが、そのほかのアイテムはコピーの域を全く脱していない。イタリア機みたいな零戦とか、米国人に酷評されたワイルドキャットはさすがに金型改修したそうですが。AM誌には「中国国内だけでなく欧米のモデラーにもお願いしてマスターモデルを作っています。」という賀社長の言葉が載っていますが、この間秋葉のホビーステーションで偶然出会った「柳瀬ばお氏」いわく「そりゃあ、あからさまに世界中の既存キットを買ってきて、きっちりコピーしてますがな!とは言えないもんなあ。」とのこと。韓国のアカデミーもなかなかコピーメーカーから完全に離昇できていない現状ですが、確かに同じ国内のドラゴン(まああちらは上海や香港なんで、古い共産圏とは違う国とも言えますが)のコピーすら厭わない姿勢において、はたして喇叭吹きが、完全自立した模型メーカーになり得るか、あるいはそんな発想は今後とも全く無いのか、当分我ら消費者は眺めているしか無さそうです。
●ちょっとだけ希望が持てるのは、新欧メーカーだけにふんぞり返る姿勢で無しに、聞く耳は持っていそうなこと。米だけでなく日本のマーケットも十分意識しているとのことなので(バックデータ無しの直感ですが、恐らく日本国内のスケールプラモの需要は、全米には足らずとも全EU圏内くらいあるんじゃないでしょうか?)、積極的にユーザーサイドからコミットしていけば「ビジネスとして成り立つ目処さえ付く限りにおいて、」ユーザーの声にも応えてくれそうな予感もします。
●最後に、無いものねだり(*_*)、、、。実はこれだけ言いたかったんで、上記の文章は単なる前説だったりして(笑)
本物への愛、模型への愛と言うことで、さらには単なるサードパーティの域ではないビジネスとしての企業スタンスの明解な、我が国の誇る世界的愛国(^o^)メーカー、ファインモールド社が喇叭吹きと提携したりすれば、一番理想的な企業になりそうなんですが…!◆トランペッター オフィシャル・サイト <以下、04年5月追記> この前段として、掲示板にて、MA誌作例、トラペの二式水戦について、皆様があれこれお話があり、またF4F改修版についてお尋ねの方がいらっしゃったのを受けて(零戦→二式でも多少改修、F4Fも改修などについて)…。
トランペッター雑感 投稿者:がらんどう 投稿日: 5月30日(日)04時20分36秒
>トランペッター、私何一つ買ったこと無いです。まず大スケールにシフトするつもりが毛頭無い(家が狭いとかいう以前に、馴染みのスケールができちゃってる)、当初範疇外のロシア現用機とかAFVだった、最期にWW2機(WWって書くとWINでは文字化けですよね)、が出でも、感覚的にピンと来なかった、てな理由でしょうか。トライマスター、ファインモールド、アキュレイト・ミニチュアズの存在とはぜんぜん違いました。それでもBf109のようなスタティックキットでなく、いにしえのオール可動を彷彿とさせる方向の方が面白そうでは有りますが。
社長の賀龍華氏が金型屋あがりで、軍事ヲタでもミリタリープラモマニアでも何でもないので、マニアックな愛情や視点はどうしてもごっそり欠落するのでしょう。
ただ成長期なんで、吸収しようという姿勢は有るようですから、賀社長じかでなくとも、インターアライドの社長さんなりに、素直に言えば情報は伝わるのではないでしょうか。インターアライドのHPはこちらです。
それよりなにより、私、思うんですが、AFVスケールモデル界における土井アマモ編集長みたいな、マニアックな知識レベルと、プロっぽい(プロかどうか知らないので)編集者感覚、そしてビジネスマンとしてのマナーや常識を兼ね備えた人物が、日本の飛行機のスケールモデル周辺に誰一人として居ないらしいことも、おおきく影響してんじゃないですかね。みんな、どっか偉い先生ばかりが、自分の蛸壺から話してるんじゃないでしょうか。素直にあーだこーだ、言えば聞く耳は有りそうですけど。どうも10年若い(らしい)AFVスケールモデルの世界のほうが、玄人素人の垣根が低く、風通しが良いような気がします。
>どうでしょ、「零戦酷い」、ってストレートに日本側がトラペに言った例が有るんでしょうか。日本の模型誌は、国内メーカーだけじゃなく、輸入代理店にも気を遣って、オブラート表現みたいですから、意外に賀社長、全く気が付いていないような気もしませんか(^_^;)
>さて、という訳でF4F改修版を見分けるのは、親しい模型店で、信頼できる店主に、素直に「改修前の製品が改修後の製品か、きちっと教えて貰う」ことが、いちばん確実そうですね(~o~) ただねえ、仰ることも分かりますよ、つまりお店まかせでなく、自分の目で確かめたい、ということでしょう(うちの近所の模型屋だと、客より何より自分しか可愛くないんで、当たり前のように黙って不良在庫の改修前版を売りつけられそう)。ただし、これは私も興味ないし買ってないので?です。あるいはインターアライドさんに聞いてみれば?パッケージに違いあるかも知れません。
>さてトラペ、ニッチ戦術(戦略じゃあないですよね、笑)もいいですが、スピット水上機型の1/24ではシュール過ぎですね。ここまでピントが合わないなら、いっそIAR-80の1/24とか、ブーメランの1/32とかどうでしょう(~o~)