88、謎の降格      

 玉川局では、年末期(詳細は不明だが、10月から12月にかけて)にある人事が発令されました。私が玉川局時代にお世話になったTさん(bP3〜管理者という名の確信犯に登場)が、総務主任を降格したというものです。
 Tさんは長いこと玉川局集配課第2班の班長を務めてきた人物です。第2班というのは、玉川局でも屈指の重たい(業務量が過重で大変)班であり、それというのも、ある時期に班編成が変更されてから、そのような状況が発生していたのでした。
 現在の第2班に含まれる一つの区は郵便物量が非常に多く、以前から問題を抱えた区でした。ある私立大学があり、マンションや会社も少なくなく、玉川局でも指折りのキツイ区でした。これを自力でこなすとなると、時間を守っていたらとてもじゃないけれど配達し切れないような、お荷物区だったのです。
 それで、以前には他の班にあったこの区を、班編成によって第2班が抱えこむことになったわけです。この間のいきさつに関しては裏事情みたいなものがあるのですが、それはここではあえて省かせてもらいます。
 それで、その区を任された第2班ですが、この区以外にも決して楽とはいえない区が2、3あったわけで、結局はどうにもならなくなってしまった。つまり以前でさえ大変だった班内事情が、さらに悪化することになったのです。
 Tさんは不満を漏らしつつも、老体に鞭打って頑張りました。何とか班内を旨く回そうと、必死だったのです。体力がある方ではないのに、休憩時間を削ることもありました。年賀期ともなるとは、特別です。他の班と同じようにまともにやっていたら、できるものもできない。そうなると、法で定められた休み時間もないがしろにしてやるしかなかった。
 ですが、普段の業務が円滑に運ばないのも、年賀でボロボロなのも、当局は全てTさんの責任にした。Tさんが望んだり作った班編成ではないのに、当局は自分達の責任をTさんになすりつけ、責任放棄したわけです。


 そういう経緯などがあり、Tさんはある時降格願いを提出しました。無責任な管理者に対する不満も大きかっただろうし、第一、無理ばかりしていては身体も神経も参ってしまうと判断したのでしょう。ですが、この時には常岡局長がそれを受理せず、さらに陰湿で狡猾で、イジメ同然の追い討ちをかけて、TさんはbP3で触れたように身体を壊してしまいました。
 その後Tさんは何とか班長を務め続けましたが、負担が大きいことに変わりがない。私は局内異動で他の班に移れたからいいものの、Tさんの班の苦しい状況は相変わらずであり、その辺の傷みとか苦しさは、元班員だけに理解に難くありません。
 それが今回降格したとの情報を得て、私の胸中も平穏ではいられません。これは一体どうしたことかと、にわかに殺気立ったのです。それで調べてみると、意外な事実というのか、ああやっぱりなという話が浮上してきたのでした。
 Tさんはある日の朝の総務主任以上のミーティングで、ある件で質問したそうなのです。それをbU7に登場する小山現玉川局一集課長が、よく思わなかったらしい。それで小山課長は、Tさんに対する攻撃(主に班内業務が潤滑に運行されないことに対する責任転嫁)を強めたらしい。
 これはTさんの周辺にいる職員からの話で、私が直接見聞きした話ではないものの、こうしたことは郵政省時代から連綿と行われてきたいじめ・差別の典型的な例に重なります。
 で、Tさんもさすがに嫌気がさし、いわゆるキレルという状態だったんでしょう、「文句があるなら総務主任を降りろ」という当局の売り言葉を買わされた恰好で、自分から降格願いを書き、提出したそうです。


 ですが、以前には頑として受け取らなかった降格願いを、今回はどうしていとも簡単に受理するのでしょうか。それも、自発的に書いたものは受理せず、半ば当局が書かせたような降格願いを、です。
 Tさんは今、不慣れな地域を担当し、Tさんの後釜には他の班から総務主任が異動になってきたそうです。それでも、Tさんが劣っていたわけでもなく、結果は目に見えています。第2班のこうした現状を作り上げたのは当局であり、誰が班長になろうとも、その窮状を打破することは困難なのです。業務を滞りなく回すには、区や班の加重を軽減するしか道はないのです。
 私は今回の降格人事をしらされた時、ある筋書きが思い浮かびました。それは端的にいって、Tさんに対する当局の嫌がらせであり、組織ぐるみのイジメであり、そういう体質の表出を目の当たりにしたのです。つまりは、こうです。
 Tさんは今年、定年退職を迎えます。そうなると、総務主任であるかそうでないかで、退職金もそれなりの金額差が生じるはずです。当局としては自分達に反抗的な職員は好まないし、異端視します。加えてこの際退職金を減らしてやろうくらいのことは考えかねない集団ですから、Tさんはその餌食にさせられ、見せしめとなったように思えてならないわけです。これはあくまでも私の憶測ですが、私の意見に同調する人間は、少なくとも玉川局に籍を置いている、もしくは置いた職員なら、きっと少なくないはずです。
 いずれにせよ、私が願うことは、仮に退職金が減額になったにせよ、Tさんが退職によって心も身体も楽になる、その一点のみです。